皆さん今日は。
去年の夏も記録的な暑さでしたが、今年の8月の平均気温は過去最高だったとニュースで聞きました。去年は驚きましたが、今年は「そうだったのか」とは思いましたが、もう感覚がマヒしているのかあまり驚きませんでした。以前、埼玉県前橋市の観測所での気温が40℃ということでニュースになりました。ところが後日調べたら近くでゴミを燃やした人がいて、その熱の影響で間違った高い気温が観測されたと発表されたことがありました。最近は近くで火を焚かなくてもそれ以上の気温になって大変な時代になりました。高冷地の阿蘇では、ひと昔前はエアコンなどなく、家の建具は全開で過ごしていました。しかし盆を過ぎると急に気温が下がり、夕方にはヒグラシ蝉が鳴き戸を閉めて過ごしていました。ところが現代はビニールハウスや田んぼの酷暑の中で作業して下着まで汗でビショビショ。シャワーを浴びて昼休みはエアコンを付けないと体が持ちません。9月になってもまだまだ暑いです。ヒグラシは何処に行ってしまったのでしょうか。この酷暑の中で稲刈りが始まりました。ただ外にいるだけでも暑いのに、コンバインの運転席は地獄です。太陽熱とエンジンの熱。加えて藁くずや「芒(ノギ)」という籾の先にあるトゲが舞って首周り、服に刺さってジカジカ。しかし最悪だけども一年の米作りの苦労の結晶を収穫できる最高の喜びの混ざった複雑ですが楽しい仕事です。
昨年産の米は生産量と消費量の統計が間違っていたなどというお粗末な説明の中でコメ騒動が起こり生産者の知らないところで大変な高値で取引が行われていたようです。弊社でも定期便以外のお米は自然食のお店に卸していましたが春先から異常なほどの注文が殺到し、早々と売り切れてしまいました。定期便は一応9月まで6年産をお送りするようにしていますが、一番早く田植えした弊社メンバー、梅井稔さんの新米が出来ましたのでお送りします。先般皆様にお願いしました「年間配達スケジュール表」では沢山の皆様から増量変更を頂きました。ありがとうございます。定期便の皆様の安心な食卓が守れますよう努めてまいります。
話題は変わりますが、先月この会報でお知らせしました我が家の稲育苗ハウスの野菜のその後をお知らせします。有機JAS稲の苗を育てるハウスでは農薬が使えないために野菜にアブラムシが大発生。葉が枯れ、生育ストップ。しかしいつの間にかアブラムシの天敵昆虫が増えてアブラムシはいなくなりました。キュウリ、ナス、オクラ、小玉スイカ等アブラムシに樹液を吸われ変色した哀れな葉の先に新しい新芽が伸び、つやつやした綺麗な新葉が展開し始めました。葉の先には綺麗な花が咲き、実が結び始めました。しかしアブラムシがいなくなると天敵昆虫もいなくなり、アブラムシ発生の第2波がやってきました。これに対して天敵昆虫増加の第2波が起こり葉が枯れるほどではありませんでした。その後、第3波が起こり、いつの間にかアブラムシと天敵昆虫のバランスが保たれ、その秩序がずっと続いてナスもキュウリ、オクラも食べきれないほど収穫できています。ただ、スイカは第1波の後に着果した実はそれ以上大きくならず、収穫していません。第2波後についた実もまだ収穫には早いようです。スーパーマーケットに行くと様々な野菜が並べられています。どれも形が揃って綺麗です。というか綺麗なものでないとスーパーには並べられないようです。我が家では有機JASのトマトをスーパーの自然食品コーナーで販売していますが、基本的にきれいな物が「正品」、ちょっと傷があると「訳あり」の分類です。有機農産物は化学肥料や農薬を使わないことが本質です。そうすると虫食いや形が歪なのは仕方がないことですが、多くの日本人は「みかけ」が選択の第1条件のようです。市販されている野菜の多くが「みかけ」の為に不必要な農薬散布が行われている可能性があります。調理するときには包丁で切るのですから「真ん丸」「真っすぐ」でなくても良いと思うのですが。