農園だよりDiary

2026年4

2026.04.08
 皆さんこんにちは。

 アメリカのイラン攻撃が始まって2か月目に入りました。「イランの後はキューバだ」と、かの国の王様が公言しましたが、そのキューバに3月14日出発、21日帰国のスケジュールで行ってきました。

 キューバはカリブ海に浮かぶ温暖な島国です。スペインの植民地になり砂糖産業が興り、首都ハバナではスペイン風の豪勢な石造りの建物が建てられ、旧市街は今でも観光資源となっています。そんなキューバは1902年にスペインからの独立を果たしましたが、実質的にはアメリカの保護国となり、サトウキビ等の主要産業はアメリカ資本に独占されました。多くの国民は飢え、貧困等多くの社会問題を抱えた中で1959年「キューバ革命」が起こり、「キューバ危機」、アメリカによる経済封鎖、オバマ大統領就任を機に経済封鎖の解除、今に至っています。経済封鎖により食料や肥料、農薬等が調達できない中でキューバは世界的な有機農業の国になりました。2016年、弊社有機米のお取引を頂いています会社のツアーで経済封鎖が解除された直後のアメリカ資本がまだ入らない、最後のキューバ有機農業視察旅行をし、今回10年を経て視察旅行、一行4人です。

 出発前にイラン侵攻があり心配しましたが、旅行社からの報告では治安は問題なしとの事で出発しました。到着日、ハバナ旧市街の観光をしましたが、10年前、沢山いた観光客はまばらでした。スペイン時代の石造りの街並み、要塞、みな素晴らしい物でした。前回は至る所、建物を修理しているところがあり、街は綺麗に清掃されて活気があったのに、今回は壊れかけた家、街角のゴミ集積場は回収がされずゴミの山、社会主義国なので食糧配給制度があるのに配給所は空っぽ。その代わり、玄関ドアくらいのスペースで飲み物や食品を売る個人の販売店をたくさん見ました。驚いたのは何人もの「物乞い」に出会ったことです。

 ガイドさんに経済状況を尋ねると、コロナからの復興が遅れて若者は海外流出。トランプによる経済封鎖で燃料、食糧不足、停電により観光客が減少したそうです。観光客向け物価は日本より少し高い感じで、缶ビール3米ドル。鶏肉ソテーとライス、20米ドル。ホテルでは枕チップ1ドル、レストランのトイレも1ドル。ところがガイドさんの月給6ドル。ハバナ大学法学部卒の私たちの車のドライバー6ドル。教育と医療は最優先なのに医師でさえ10ドル。これでは食べていけないので石鹸や食料を患者から受取っているそうです。また通貨改革が行われ、ペソは価値が下がり、物価高で何も買えないと話してくれました。農場見学では、ミミズの糞堆肥を使った野菜栽培が変わらず行われていましたが、販売先は国営配給所ではなく、多くは直売所、ホテル、レストランなのだそうです。革命前、富裕層に富を独占され、民衆の貧困の中から、いわば百姓一揆のように起きた革命は、時の流れの中で矛盾が露呈し、外圧に翻弄され当時の輝きは失われているようです。

 今回、旅行中に国内全土停電がありました。ホテルは自家発電があり問題ありませんし、市民も停電慣れしているようでした。日本もキューバと同じ島国で原油、食料自給率も同程度です。イラン戦争で原油が止まり今まで考えもしなかった物に影響があることに気づかされました。医療器具や食品包装資材、農業に欠かせない肥料。特に肥料が値上りすると世界の食糧価格が上がり輸送経費も加算して輸入品は高くなります。国内農家も頑張らなければならないのですが、特に高齢農業者にとって燃料、資材高には抗えません。

 旅行中は暗い話題もありました。みんなどうやって生活しているんだろうと思いました。しかし、どこに行っても軽快なラテン音楽が流れ、つい体でリズムを取ってしまう明るさがありました。レストランでは専属バンドがいて、食事中に演奏と見事なハーモニーの歌声を聞かせてくれました。昼間、町を散策すると若者達が練習している風景がありました。みんな生活の為に腕を磨いているんです。
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