皆さんこんにちは。 長かった冬も終わり春本番になりました。高冷地の阿蘇では例年2月か3月上旬に寒波が来て積雪が2、30cmあります。ところが今年はとうとう積もるような雪は降りませんでした。寒いより暖かいほうがいいですけど季節に降るべきものが降らないと物足りなさを感じます。


 阿蘇の春を告げる「野焼き」が3月17日に行われました。



数日前から晴天が続き風も吹いて草がカラカラに乾燥して絶好の野焼き日和になりました。当日は特大にぎりめし(おむすび<おにぎり<にぎりめし)3個、水筒、火消棒を持って大観峰の集合場所に登りました。それぞれ牧野組合ごとに作業が行われますが火入れの時間は午前9時と決められています。例年午前中は朝露で草が湿っていて火の着きがよくないのですが今年はカラカラでいつもは燃えないところまで綺麗に焼けました。おまけにちょっとした風向きの変化で危うく隣接の山林にまで火が入りそうになり皆で火消棒を使って消し止めました。延焼になったら莫大な被害が出るというスリル満点の作業ですが心ワクワクです。また綺麗な空気の中、山道を登ったり下ったりでお腹もすいて昼食の特大にぎりめしもペロリです。



阿蘇のもう一つの春は「阿蘇たかな」です。阿蘇高菜は品種的には「小粒な種」で普通の高菜とは別の品種です。
高冷地の阿蘇では冬の間に育つ作物は限られています。激しい寒の中で葉を小さくして地面に張り付いて寒さに耐え、静かに根を伸ばし、そして春の暖かい雨が降ると葉をだんだん大きくして緑を増して一気に柔らかい茎を伸ばします。その茎を一本一本手で折り収穫します。



阿蘇は火山灰土で硫黄分が多いのでピリッとした辛みがあり若草色の浅漬は絶品です。現代は季節を問わずいろんな食品が有りますが、一昔前、冬も終わり貯蔵野菜も底をつき何にもなくなった頃、春一番に食べるたかな漬けはさぞや御馳走だったことだろうと想像します。
この種は阿蘇地方で代々受け継がれてきたものですのでこの味を守るためにも作り続けていきたいと思っています。

写真  文  山本誠也