シンチャオ(今日は)。  1月19日から3泊5日、ベトナム、ハノイにトマトの生産者仲間4人で旅行に行ってきました。

ベトナムから連想する言葉は「ベトナム戦争」「枯葉剤」。旅行前の下調べでは19世紀後半からフランス植民地、日本軍進駐、フランスからの独立戦争、そして私の記憶にあるのは1975年までのベトナム戦争。ずっと大国の力に翻弄されてきた歴史。そんなベトナムを旅しました。今月はベトナム旅行記をご紹介します。
 ベトナムは南北に長い国で南のホーチミン(旧サイゴン)は年間を通して夏の気候ですが、北のハノイは四季が有ります。昔から中国文化の影響を受けてきたこの国、2月8日からはテト(旧正月)でハノイ市民の6割が帰省してしまうのでこの時期に旅をしました。季節的に空気が霞んでいるのがちょっと残念でしたが冬と言っても南の国、長袖シャツと薄手の上着が有ればOK、身軽な旅ができました。
 ベトナム観光は商業都市である南のホーチミンと首都のハノイがメインです。ハノイは戦禍の影響が少なく、世界遺産も有ります。中でも有名なのがハノイから車で3時間半にある「ハロン湾」です。石灰岩台地が浸食されて出来た景色は中国桂林のように奇岩が並び壮大な景観です。クルーズ船の中で海鮮料理の昼食をとりながらの観光ですが水上生活漁師が魚介類を売りに小舟で近づいて来ます。それも買って船の厨房で調理してもらいサイゴンビール、ベトナム産ワインで乾杯。贅沢な食事をしながら素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。


 翌日はハノイから1時間半、最近世界遺産に登録されたばかりの「チャンアン」観光。ここも石灰岩台地が浸食されて出来た川というか湖というか、流れのない水上を手漕ぎのボートでのクルーズです。船頭さんは地元の、たぶん40代(もっと上に見える)女性でした。

ここにはボートが1000漕有り、船頭さんも1000人いるそうですが皆農家の奥さん達で順番に週に2,3回の頻度で仕事に来るそうです。ガイドさんの通訳で恥ずかしがり屋の船頭さんと時々話をしながら、水墨画の中をオールが水をかく音と鳥の鳴き声だけの静寂の世界を2時間の旅です。


途中には頭すれすれ、ボートがやっと通れるだけの曲がりくねった鍾乳洞がいくつもあり船頭さんの巧みなオールさばきに感心しながらゆったりとした時間の流れを味わいました。船頭さんご苦労さん。腕が疲れたのか前のボートの船頭さんは乗客が前方に集中している隙に自転車のペダルを漕ぐように足で見事にオールを操っていました。うちの船頭さんにもして見せてくれと頼みましたが恥ずかしがって断られました。写真で紹介できなくて残念! チャンアンはネットのベトナム旅行サイトにもまだ未掲載で日本での知名度はまだまだですが是非お勧めしたい所です。


ベトナム観光で驚くのは交通事情、中でもバイクの多さです。ベトナムではバイクの事を「ホンダ」と呼び、ほとんど日本製の様でした。貧富の差が大きく、金持ちは家政婦を雇い高級乗用車に乗り、庶民の足はバイクです。ラッシュ時にはそのバイクが通りを埋め尽くし正しく縦横無尽に、これは誇張ではなく逆走、無理な進路変更、割り込み、思うが儘、何でも有りの走りが日常的に行われ周りの車のドライバーは瞬時にそれに対応して回避しています。何と素晴らしい運転技術でしょうか!!

バイクは人の移動手段でもあり物の運搬手段でもあります。二人乗りは当たり前、時には8人乗りも有り。荷台は日本の軽トラック的感覚で荷物を積んでいます。牛や豚の足を折りたたんで暴れないようにして荷台にしばりつけているバイクも有ります。積み荷と運転技術に脱帽です。



 3日目は旧市街を散策しました19世紀からフランスの植民地だったハノイには当時のままの街並みが歴史的遺産として保存され、そのまま市民の生活の場として利用されています。

ベトナムでは間口の幅によって課税されるので建物の奥行きは15m程でも間口は1.5m位の物もあります。1階は店舗、2階以上は住宅に利用されています。市街は衣料品を商うエリア、食料品のエリア等、商売の種類ごとに区画されていて買い物には便利です。店には商品が溢れています。ここは社会主義国で、中国との交流が大きく、特にハノイは直ぐ北方に中国との国境が有り中国製品が沢山です。また通りの至る所に露店の食べ物屋さんが店を出しています。どの店も高さ30㎝位のプラスティック椅子は満席の様子です。写真の露店は孵化寸前の鳥のゆで卵を食べさせる店です。話には聞いていたのでゲテモノ食いの血が騒ぐと言うか興味が有りましたので立ち寄ってみました。店主のおばちゃんが鍋でゆでた卵を包丁の裏で割ってパカッと殻を取ると中は湿った産毛の塊のようです。

食べるには少し勇気が必要ですが勇気を奮い起こす前にガイドさんを先頭に皆さっさと行ってしまうので残念なようでもありホットしたようでもあり複雑な気分で皆の後を追いかけました。良かった!良かった!!


 旅行の楽しみの一つは食事です。日本では世界中の料理が楽しめますが、やはりその国に行ってその気候の中で食べる料理は格別です。ベトナム料理は北部では米の麺「フー」「春巻き」「ビーフン」等、美味しいものが沢山です。「香米」のご飯に炒めた空芯菜やエビをのせて食べるのもいけますね。やはり中国文化圏なので中華料理が土台に有るようです。

 今回、駆け足旅行でハノイ周辺を観光しましたが旅行前の暗いイメージはもうありません。インフラ整備、ビル建設が至る所で行われ街が生まれ変わろうとしています。街には人が溢れ外国からの観光客も沢山います。今ベトナムの平均年齢は25歳だそうですが明るい国民性なのでしょう、いろんな所で「シンチャオ」と声をかけると笑顔で挨拶が返ってきます。この国のエネルギーが伝わってきます。カムオン(ありがとう)ベトナム! 
  

          写真  文  山本誠也