皆さん今日は。先月に続き、今月も旅行記を書きたいと思います。今回は前回とは別のメンバーで2月3日から2泊4日のハードスケジュールでバリ島に行ってきました。バリ島はインドネシア、ジャワ島の東にある小さな観光の島です。

4時起床、福岡空港を10時に出発、シンガポールを経由してバリ島デンパサール空港到着は19時です。日本との時差が1時間有りますので10時間、食事は昼食も夕食も機内食、狭いシートに押し込められて運動もせず似たようなメニューを2回食べ、アルコールは飲み放題ですが体調を考えて程々にして、やっと南半球に辿り着きました。到着するとやはり南国、空気が違います。着てきた薄手のシャツがうっとうしくて早くTシャツに着替えたい気分です。
 2日目も4時起床、6時発ジョグジャカルタ行の飛行機に乗り6時10分到着。インドネシアは東西に細長い国なので最大4時間の時差が有るのだそうですが、すぐ隣の島なのに時差1時間、実質70分のフライトでした。近くのホテルで朝食を摂り、今回の旅行の最大の目的地、世界遺産「ボロブドゥール寺院遺跡群」に向かいました。
島という地形的なものでしょうか、雨季で薄雲がかかったような空模様の御かげでしょうか、真夏なのに日本のような蒸し暑さがないのは意外でした。車でしばらく走ると目的地です。駐車場を降りるとあたりは緑の芝が刈り揃えられ樹木が程よく配置されています。1980年代に日本の技術支援で歴史公園として整備されたのだそうです。朱塗りのゲストハウスに入ると来場者がこの遺跡をより理解できるようにスライドでの説明が有り、石畳の遊歩道を歩き木々の間を進むと目の前に突然巨大な石造りの構造物が姿を現します。「ボロブドゥール寺院」です。ここは8世紀に仏教を深く信仰した王が子孫代々信仰心を大切にするように教義を石造りの曼荼羅で表したものだそうです。



3層構造になっていて下層は人間の欲望を現した世界(写真上)、上層は全ての欲望から解脱した世界(写真下)、中層はその中間(写真中)釈迦の誕生から悟りを開くまでの物語のレリーフが延々と連なっています。壮観です。それに対して上層の景色は静寂です。法塔が整然と配置され無機的な感じを受けます。法塔の一つ一つには仏像が安置されていたようですが長い年月の中で完全なものは少ないようです。この無機的な場所から周りの緑の景色を眺めると何かほっとするものがあります。やはり自分は俗世で自由に生きるのが似合っている人間だと言う事を悟ったというのがこの旅の一番の収穫だったのかもしれません。そんな思いを胸に次の目的地、プランバナン寺院にむかいました。




ここはヒンドゥー教寺院でボロブドゥール寺院より後の時代に建築された史跡です。火山国インドネシアの度重なる地震によって400基と言われる塔は全壊し最近修復が始まり写真のように大きな塔から修復が完成しています。

写真では大きさが分かりませんが巨大です。高さ50m位有るようです。内部には多神教であるヒンドゥーの神様が安置されていて回廊があり、人が行き来できる広さがあります。周りの崩壊している塔も現在進行形で修復作業が行われていました。しかし膨大な作業の割に作業員は少人数で、しかも石のブロックを図面もない状態で形を確認しながら手作業で積み上げていく気の遠くなるような仕事で完成には長い年月がかかるでしょう。またこの遺跡だけではなくて、この地域全体に埋もれた遺跡が沢山あるのだそうです。車で少し走る間に右にも左にも倒壊した塔の跡が有りました。田んぼの中にも遺跡らしい石材が顔をのぞかせていました。この地では加工しやすい石材が豊富にあり、それを加工する石工の伝統が息づいていたのでしょう。
 車を走らせると田んぼが沢山ありました。しかもこれから田植えする所、穂が出た所、収穫した後、いろんなステージがあります。ちょうど農家の人がいましたので車を止めて話を聞く事にしました。

私達一行も農家なので外国の農業事情には興味があり、収量、単価、経費、機械の利用等を尋ねました。ここでは年間3回収穫できるけれど相続する時に兄弟皆に分けるので一戸当たりの農地面積が少なく、1年の収穫量の6割は自家消費用、販売代金は少しなので若い人は農業をやりたがらないのだそうです。なにかしら、どこかで聞いたような話なのでみんな納得してしまいました。そんな暗い内容の割にはニコニコ話してくれて南の人は楽天的なんだなと感心してしまいました。そんなこんなで遺跡めぐりから農業視察までまとめて済ませて空港の近くのホテルでインドネシアビールの乾杯、ジャワ島料理の夕食を摂り大満足でした。後は朝来たコースを逆戻り、70分のフライトでホテルに着く予定でした。しかしこれは日本人的思考の甘さだと分かりました。空港に着くと出発予定もゲートも表示されていません。予定の機材がまだ到着していないのでいつになるのか分からないとの事。南国的楽天性に対して自分たちの甘さを悟り、のんびり構えて待つこと1時間半。やっと飛行機に乗り込みホテルに着いたのは1時半でした。長い一日でした。

 3日目は8時出発、バリ島観光です。朝から始まるバロンダンスを観て、ウブドの棚田まで、だらだら登りの道を車はスピードを落とさずジャンジャン進みます。道の両脇は絵画、工芸品の店が文字通り軒を連ねています。こんな山の中に誰が買いに来るのか不思議なくらいです。そして店が少なくなった所に棚田が有りました。ヤシの木があり正に南国の風景です。


 帰りに「ジャコウネココーヒー」専門店に立ち寄りジャコウネコを見て、コーヒーが出来る過程の説明を聞き試飲しました。飲んでみるとコーヒーの味でした。6人全員でまとめて買う交渉をし、「随分まけてもらったな」とみんな自己満足して店を後にしました。お土産も買ったし後は帰りの飛行機に乗るだけになりました。首筋と腕の日焼けのヒリヒリ感を感じながら楽しかったこの3日間を振り返り飛行機に乗り込みました。テリマカシー(ありがとう)バリ島。

               写真 文 山本誠也